こんにちは、顧問です。みなさん、お変わりありませんか?
先日は、5月展示「令和一周年」についてのアンケートへのご協力ありがとうございました。5月13日のブログでぼーちゃんさんがまとめてくれた内容をベースに、学校に行けるときにちょこちょこ展示物をつくっています。また何らかのかたちでみなさんに披露したいと思っています。
さて、毎日の「オンライン授業」がはじまって1週間以上。「オンライン礼拝」→「オンライン授業」→「放課後 学年・学級活動」→「放課後 補習・質問会」と、みなさんも忙しくなってきたのではないでしょうか。次の水曜日からは「放課後 クラブ活動」もはじまります。今のところ、図書部は普段の部会の感覚で、毎週水曜日の活動を考えています。よかったら参加してくださいね。
さて、前のブログでも少し触れたんですが、今回は年間・文化祭テーマ「図書部、活字拾うってよ」の小テーマの1つ「グーテンベルク聖書(世界の活字)」について。
みなさんにお渡しした『小学8年生』4・5月号の藤波俊彦「まんがで読む人物伝 グーテンベルク」。たった7ページのマンガなんですが、かなりいいですよ。あの7ページをしっかり読むだけで、理解が相当進みます。まだ読んでいない人は、ぜひ読みましょう。3分で読めます。
欄外でも触れられていますが、しっかりとした参考資料が活用されています。クラウディア・ブリンカー・フォン・デア・ハイデ 、一條麻美子(訳)『写本の文化誌―ヨーロッパ中世の文学とメディア』(白水社、2017)、マーク カーランスキー、川副智子(訳)『紙の世界史―PAPER 歴史に突き動かされた技術』(徳間書店、2016)。気になるのは、すべてのヨーロッパ人が妙な関西弁でしゃべってるとこだけw
以下にその「まんがで読む人物伝 グーテンベルク」を簡単にまとめてみました。
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中世ヨーロッパ
- 本は、修道士たちの手作業で羊皮紙に書き写された
- 本や知識は選ばれたものたちだけのモノ(鎖付図書、chained books)
- グーテンベルクは、マインツ(ドイツ)で貨幣鋳造、金細工の職人
- その後、ストラスブール(フランス)に移住
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1430年代後半
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当時の紙と本
- 紙をつくる技術がヨーロッパに広まる(アジアでは数百年前より)
- 高価な本を売買するものがあらわれる
- 書く写す方法では、本の数は限られ、つくるのに時間もかかる
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グーテンベルクによる可動式活字の発明
- 貨幣鋳造がヒントに
- 金属で「字」をつくる、同じ「字」をたくさん作って、文章を組み立てる
- 文字を逆さまに彫って、銅におし、型をつくり、そこに合金を流し込んで、冷えたら抜き出す
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グーテンベルクによる印刷機の開発
- ぶどうしぼり機をヒントに
- つぶれた製紙所を買い取る
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1450年ごろ
- グーテンベルクは、マインツで印刷工房をオープン
- 羊皮紙ではなく紙を採用
- 印刷費、材料費、文字をつくる職人、活字で文章を組む職人、印刷する職人の育成
- ヨハン・フストから融資を受けて設備投資
- フストとの関係からペーター・シェッファーを雇う
- 詩などのお金になる印刷物を積極的に扱う
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1452年
- グーテンベルクは、活字、紙、インク、印刷機を使った活版印刷による聖書を制作
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1455年
- グーテンベルクによる「四十二行聖書」完成
- 工房で180部ほど制作
- 紙をにかわ(膠)で補強
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印刷機などがフストのものに
- 融資のカタとして、工房をフストに取られる
- フストとシェッファーは、その工房から印刷業に乗り出す
- グーテンベルクは自宅で細々と印刷業
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その後
- フストとシェッファーは職人を育成し、カラー印刷にも成功
- マインツでは争いが起き、多くの印刷所が焼ける
- 職人はマインツを追われ、ヨーロッパ各地へ散らばり、印刷技術や文化が伝播
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1998年
- アメリカの雑誌『LIFE』の「1,000年間でもっとも重要な出来事」
- 1位は、グーテンベルクの活版印刷の発明
グーテンベルクは、それまでの写本をそのまま機械化することしか考えていなかったようですね。だから書体もそれまでと基本的には変わらない。基本の書体は「ゴシック体」「ブラックレター」、さらには「四十二行聖書」の書体ということで「B42」とも呼ばれているみたいです。ちなみにここでいう西洋の「ゴシック体」(ブラックレター)と日本のゴシック体(西洋でいうサンセリフ書体)は意味合いが異なるので要注意です。
「オンライン授業」などで、文字、活字に触れる機会が普段より増えていますよね。その活字が、このグーテンベルクからはじまっていると思うと「ロマン」を感じますねー。おっと「ローマン」体といえば、活字としてはグーテンベルク後につくられたセリフ書体です。
おあとがよろしいようで。